メンヘラ、それは香しくも危険な恋。
みなさんはじめまして、musicarを運営しているmusicar(ミュジカー)と申します。
ひょんな事から寄稿をさせて頂く運びとなりました。
そして、寄稿第一回目は『メンヘラ』をテーマとした寄稿が多い様なので、便乗させて頂きます。
正義の味方でいると死ぬぞ
少し昔話でもしようか。
あれは僕がまだ若かった頃の話だ。
当時東京に来たての僕は、右も左も分からない見知らぬ土地で出会いや仕事に刺激的な毎日を送っていた。
引っ越し前に付き合っていた彼女に婚約破棄をくらった僕の心憔悴しきっていた。
だからがむしゃらに働き、出会う人々の誘いには何でものった。
そんなある5月の日の飲み会でT子と出会う。
T子は見た目に派手で、安室奈美恵に似ている小柄な子だった。
スタイルも良く、何よりも笑顔が可愛いかったのを覚えている。
好きな音楽やスポーツで話も盛り上がり身振り手振りが大きくなる。
そこで左手の薬指にキラリと光るものがある事に気付いた。
僕「ご結婚されてるんですね^^」
T子「いえしてないですよw」
僕「え?でもその指輪は・・・」
T子「あぁ、これは取り敢えず男除けにしてるだけなんですw」
僕「彼氏とかいないんですか?」
T子「変なのが多いので今はいないですね^^」
(この時一緒に見た腕にある大量の自傷で全て気付くべきだった)
意気投合してからというもの毎日T子から電話があり、デートや夕飯を共にする回数が増えていった。
多くの時間をT子と共有する僕が親近感を抱き、それがやがて恋心へと変わるのにそう時間は掛からなかった。
8月に横浜の花火大会へ行った時の事だ。
ビール片手に花火をひとしきり堪能したあと、T子が予約しておいてくれた飲食店へと入る。
今日の花火の感想や慣れない下駄や浴衣に疲れた話など、どこにでもあるたわいない話をしていると、突如店内にバースデーソングが響き渡る。
僕「お!今日誰か誕生日なんだねー」
T子「そうみたいだね!^^」
お店のスタッフがケーキと共にラッパやタンバリンを楽しげに鳴らしながらこちらへと来る。
僕(何でここへ?俺もT子も誕生日ではない)
スタッフ「お誕生日おめでとうございまーす!」
僕「へ?」
T子「おめでとー!ちょっと遅れたけどサプライズだよ!あと良かったら付き合って下さい!」
僕「もちろん!」
T子「えへへw」
幸せとはこういう何気ない所にあるもんだと当時は思って浮かれていた。
不幸せが突然やってくる事も知らずに・・・
サプライズのお礼に僕はT子へ旅行の提案を行う。
もちろんT子は喜び快諾。
旅行先では、テーマパークで遊び、100万ドルの夜景を見て、南京錠に愛と願いを掛けると言った初々しいイベントなどを楽しみ、ホテルへと帰り初めてT子との夜のイベントを行った。
旅行も最終日になり、楽しい気分のまま帰路の途中で夕飯ということで居酒屋へと入る。
しかし、先ほどまでの楽しげなT子の表情がだんだんと曇って来た。
僕「顔色悪いけど旅行疲れた?」
T子「・・・」
僕「どうした?」
T子「ごめんなさい」
僕「何か悪い事でもしたの?」
T子「旅行中も言うか迷ってたんだけど、実は婚約中の彼氏がいるの・・・」
僕「ちょっと待て。どういう事だ?」
T子「本当にごめんなさい」
T子「でも、本当にあなたの事は大好きなの!」
泣きながら語るT子にそれ以上詰め寄る事は出来ず、
T子「ちゃんと決めるから一週間時間を下さい」
僕「分かった。」
それから一週間と経たない内にT子から連絡が入る。
T子「今から会える?」
僕「いいよ。」
外で話をする内容ではないので、家で話を聞く事に。
僕「答えが決まったのか?」
T子「決まってない・・・」
僕「じゃー、なぜ来たんだ?」
T子「会えば何か答えが出るかと思って。」
そして色々話を聞き唐突に
T子「決まった!!!あなたと一緒にいる!」
僕「それでいいの?」
T子「うん!もう決心着いた!」
僕「分かった。ありがとう^^」
胃の痛い一週間未満にホッと胸を撫で下ろす。
しかし、3日後にまたその日が来る。
T子「やっぱり彼氏が良いので、別れて下さい。」
僕「始まってもないなら終わりもないし、良いよ。」
それが、街路樹が色づく9月の終わりの出来事だった。
やがて10月になり、「あの子は一体なんだったんだろう」とふと思い出す。
見ていたかの様にT子から電話が掛かってくる。
僕「はい。」
T子「やっぱり彼氏と別れる!浮気されてた!」
僕「(君もだよ)そんな彼氏別れれば?」
T子「今月誕生日なのに、最悪・・・死にたくて腕切っちゃった。」
僕「腕切んなばか!」
T子「だから、良かったら一緒にいてくれませんか?」
僕「理屈が分からん!でも、それで自傷行為止めるなら居てやるよ!」
T子「えへへw」
僕「ただ、友達として一緒にいるだけだけど良い?」
T子「(泣きながら)ありがとう」
(人には色んな考えがあるから、こういった形もあるのかもしれない⬅ここ危険ポイントです。「共依存」なりかけです。)
とは言うものの、本当にT子を好きだった僕はいそいそとサプライズバースデーの準備を始める。(いい加減気付けばか!)
誕生日前日前までに予約しておいたお店とタッグを組み、BGMやプレゼントの準備を行った。
当日、T子はそこまでして貰えるとは思ってなかったらしく泣いていた。
こんな感じの「別れる・別れない」「腕切った」が年明けまで続く。
段々とアホらしくなってきた事、共依存になりたくなかった事と時間の無駄に気付き、1月末に僕から関係の終わりを提案する。
僕「もう終わりにしよう。いい加減疲れた。」
T子「あなた無しじゃ無理なの!ちゃんと整理するから!だからそんな事言わないで!」
僕「一度口にする事は実行する性格だって前に教えたよね?」
T子「分かってる!だから最後のお願い!」
僕「本当に最後なら信じよう。(俺のばか!)」
しかし、1割しか信じてなかった僕は、連絡もあまり取らなくなっていた。
そして2月も終わろうかという時にT子からの連絡がくる。
T子「やっぱり別れて下さい。私から離れないとまた元に戻っちゃう。」
僕「だから前に俺から言ったよね?」
T子「さようなら」
僕「もう逃げ場はねーから、頑張れや。」
(ブチっ)
あとがき
書いていて胃が痛くなり、最後大分端折りました。
ごめんなさいw
ですが、もっと濃密で気が狂いそうな経験でした。
しかし、得られたものもありました。
それは「忍耐力」w
今思い出しても、何と言う濃い時間を過ごしたんだと思いました。
彼女が今どうなっているのかは知りません。
精神的な事で入退院を繰り返していた過去もあることから、正直生き辛い世の中なんでしょう。
世間では「メンヘラと付き合いたい!」って人多いみたいですが、忍耐力を付けたいならオススメします。
しかし、共依存によってあなたが毒されてしまう可能性もあるので、僕的にはオススメはしませんけどね。
あと、変な正義感は捨てましょうね。
『人は自分の意志で変わろうとしない限り変われない』
では。
この記事を書いたひと

- マニアック野郎
-
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記事はマニアックな事が多いですが、いつかは役立つはずです。
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